"I am distraught at the court's decision.
It is very hard for me to accept the embryos will be destroyed."


「裁判所の決断に私は心を取り乱されています。
凍結受精卵が破棄されることを受け入れることは私にはとてもつらいことです。」



泣きながら、報道陣の前で答えたNatallie Evansさん。
彼女の長い長い戦いは終わってしまった。
彼女の願いはかなわなかった。



Natallieさんは35歳の女性で、2001年に当時フィアンセであったHoward Johnstonさんと不妊治療を開始。しかしNatallieさんに卵巣癌が見つかり、その治療前にとりだしたNatallieさんの卵子とHowardさんの精子で受精させ、6つの受精卵を凍結保存した。Natallieさんの状態が落ち着いたらその受精卵を使い子供を作るために。

しかし、2002年NatallieさんとHowardさんは別れてしまい、Howardさんは病院に凍結受精卵の破棄するようを申し出た。

イギリスの現在の法律では男女双方の同意が無ければ、凍結した受精卵を使用することはできないのだ。また受精卵を移植する前までに使用の同意を撤回することも認められている。

そしてNatallieさんは卵巣を摘出したため自然妊娠は不可能。

NatallieさんはHowardさんの同意無しには凍結受精卵を使うことができない。

Natallieさんはこのケースを裁判に持ち込みHowardさんの同意無しでこの凍結受精卵を使用できるように訴えてきた。

2003年にイギリスの最高裁判所ではパートナーの同意無しでの凍結受精卵の使用は認められず敗訴。

Law Lords(法官議員会) はこのケースをthe House of Lords(上院:最高司法機関)での審議を認めず。

彼女はこのケースを欧州人権裁判所へ持ち込むも、彼女の意思にはそぐわず。
そのため、Grand Chamber of the European Court へさらに訴えた。

そして昨日、4月10日、Grand Chamber of the European Courtでの審議の結果、Natallieさんは敗訴。
Howardさんが意思を変えない限り、この凍結受精卵は使うことができず、破棄することになる。

参考サイト:BBC NEWS
Woman loses final embryo appeal
Woman 'distraught' over embryos
Q&A: Frozen embryos case
Ex-partner backs embryo decision
Embryo case: Reaction
Timeline: Frozen embryos



Natallieさんはとってはつらい結果となってしまい、かわいそうだと思う。

もしもこれが自然妊娠中の出来事だったら、たとえパートナーが拒否しても、女性は生みたければうむことはできただろう。
実際私の知人でも長年連れ添っていたパートナーとの間に子供ができたが、パートナーが中絶を望んだために二人は別れてしまった。その後知人はシングルマザーになる道を選び赤ちゃんは生まれた。

受精卵といえ、赤ちゃんの卵。受精卵を作ることに同意したのであれば、子供を作ることに同意したも同じようなことに思えるが・・・。

しかし、生まれてくる子供の将来も考えれば、これらの過程の中で生まれた自分をどう思うのだろうか・・・。

医学の進歩もあり、卵巣をなくしても凍結しておいた受精卵で時を置いて妊娠が可能になった。しかし、その時間がカップルに立ち止まって考えなおす時間も与えてしまったのかもしれない。


Natallieさんが卵子のみを凍結していたら
(卵子のみの凍結は受精卵や精子の凍結よりも難しいらしく、イギリス国無いでも限られた病院でしか行われていないとか)
Natallieさんの卵子がドナーの精子と受精し保存してあったら状況は変わっていた。
彼女は自分の子供を持つことができたのかもしれない。今となっては手遅れだけど・・・・。


イギリス国内でも賛否両論あり、私自身もはっきりと賛成とも反対ともいいがたい。Natallieさんには深く同情しているが、パートナーの同意無しで、しかもそのパートナーは受精卵の使用を明らかに拒否している状態ではやむを得ないと思う。