今大学でやっているモジュールは有効な疼痛管理。
講師は緩和ケアや癌ケアの講師陣が担当しているのだが、生徒は私のように緩和ケアにかかわっている人もいれば、訪問看護師、急性期病棟で働く人、脳神経内科病棟で働く人、Chronic pain clinicで働くナース、などさまざま。年齢も結構上の人が多く、私がおそらく最年少。
昨日の講義でProfessional and ethical issues in pain managementというのがあった。
倫理的な問題を考える、というような内容の講義だった。
講師がある程度話したところでグループに分かれて事例検討。
私のグループに渡された事例はイギリスならではと思ったのでここで少し紹介を。
Mr Cは65歳の定年した元ビルダー。(日本で言う大工さん?かな)2年前から痛みを抱えていて、NHSで人工股関節置換術の手術を待っている。Mr Cが痛みがひどくなって以来、奥さんは献身的に介護しており、ほかの家族も協力的。Mr Cの寝室も1階に移した。しかし、奥さんの介護疲れも目立ち始めた。
Mrs Mは57歳のある会社のマネージャ。Mrs MもずっとNHSで人工股関節置換術の手術を待っている。一人で住んでいて、寝室は2階。家の構造上寝室を一階にすることができない。
ケアラーの派遣を検討したが、Mrs Mが拒否。
この地域のNHSでは3ヵ月後に整形外科の病棟縮小のため、3ヶ月以内に人工股関節置換術の手術の空きは1つしかない。
Mr CかMrs M、どちらをこの手術リストに載せますか?
ご存じない人のために・・・
イギリスの国の医療サービス(NHS)は無料なのだが長期にわたる財政難で、さまざまな問題が生じ、医療を受けるのに“待ち”がある。
手術や検査を受けるのにWaiting Listというものがある。
緊急性のない手術などは何ヶ月も待たされることがある。この人工股関節置換術も例外ではない。
日本ではありえないようなこの状況。そして日本ではこの事例のようなケースは生じないだろ・・・とおもわず苦笑いしてしまった。
激しい?討論が交わされ、いろいろな意見が飛び交った
主な意見はこちら・・・
<Mr Cを先にする派>
・長期にわたり痛みに悩まされている
・妻の疲労が目立ってきている
・家族が協力的だという点から早期退院が望める(つまり術後ベットを早くあけることができる)しかしMrs Mは一人身で家の環境も整っていないことから退院も遅くなる可能性がある。
<Mrs Mを先にする派>
・Mr Cは定年して年齢的に年金生活だと思われるが、Mrs Mはまだ働いており、このまま健康に支障をきたしたままでは経済的にも問題が生じる
・一人身でケアも受けていないため、無理をして反対側の関節も痛める可能性あり。そしてNHSにとっても更なる手術コストがかかることになる
結局どちらも状況は厳しく、手術が必要なことは一緒なので、どちらかを選ぶなど無理な話だ・・・という流れに話し合いがなってきた
そんな時ある生徒さんの意見・・・
「こうなったら、Mr Cをさきにしたほうがいい。そして彼にビルダーに復帰してもらって、Mrs Mの家を改装してもらう。寝室を一階に作ってもらって、お風呂も改造してもらおう!」
う~ん・・・いいアイディア????
おしらせ
前回日本に帰ったときデジカメを買ってきたのに、ほとんど使っていないことに気づいた・・・。
そこで、デジカメを使って撮った写真で日々の日記風ブログをはじめました
よろしければ、のぞいてみてください
コチラ→ いぎりす いろいろ。
講師は緩和ケアや癌ケアの講師陣が担当しているのだが、生徒は私のように緩和ケアにかかわっている人もいれば、訪問看護師、急性期病棟で働く人、脳神経内科病棟で働く人、Chronic pain clinicで働くナース、などさまざま。年齢も結構上の人が多く、私がおそらく最年少。
昨日の講義でProfessional and ethical issues in pain managementというのがあった。
倫理的な問題を考える、というような内容の講義だった。
講師がある程度話したところでグループに分かれて事例検討。
私のグループに渡された事例はイギリスならではと思ったのでここで少し紹介を。
Mr Cは65歳の定年した元ビルダー。(日本で言う大工さん?かな)2年前から痛みを抱えていて、NHSで人工股関節置換術の手術を待っている。Mr Cが痛みがひどくなって以来、奥さんは献身的に介護しており、ほかの家族も協力的。Mr Cの寝室も1階に移した。しかし、奥さんの介護疲れも目立ち始めた。
Mrs Mは57歳のある会社のマネージャ。Mrs MもずっとNHSで人工股関節置換術の手術を待っている。一人で住んでいて、寝室は2階。家の構造上寝室を一階にすることができない。
ケアラーの派遣を検討したが、Mrs Mが拒否。
この地域のNHSでは3ヵ月後に整形外科の病棟縮小のため、3ヶ月以内に人工股関節置換術の手術の空きは1つしかない。
Mr CかMrs M、どちらをこの手術リストに載せますか?
ご存じない人のために・・・
イギリスの国の医療サービス(NHS)は無料なのだが長期にわたる財政難で、さまざまな問題が生じ、医療を受けるのに“待ち”がある。
手術や検査を受けるのにWaiting Listというものがある。
緊急性のない手術などは何ヶ月も待たされることがある。この人工股関節置換術も例外ではない。
日本ではありえないようなこの状況。そして日本ではこの事例のようなケースは生じないだろ・・・とおもわず苦笑いしてしまった。
激しい?討論が交わされ、いろいろな意見が飛び交った
主な意見はこちら・・・
<Mr Cを先にする派>
・長期にわたり痛みに悩まされている
・妻の疲労が目立ってきている
・家族が協力的だという点から早期退院が望める(つまり術後ベットを早くあけることができる)しかしMrs Mは一人身で家の環境も整っていないことから退院も遅くなる可能性がある。
<Mrs Mを先にする派>
・Mr Cは定年して年齢的に年金生活だと思われるが、Mrs Mはまだ働いており、このまま健康に支障をきたしたままでは経済的にも問題が生じる
・一人身でケアも受けていないため、無理をして反対側の関節も痛める可能性あり。そしてNHSにとっても更なる手術コストがかかることになる
結局どちらも状況は厳しく、手術が必要なことは一緒なので、どちらかを選ぶなど無理な話だ・・・という流れに話し合いがなってきた
そんな時ある生徒さんの意見・・・
「こうなったら、Mr Cをさきにしたほうがいい。そして彼にビルダーに復帰してもらって、Mrs Mの家を改装してもらう。寝室を一階に作ってもらって、お風呂も改造してもらおう!」
う~ん・・・いいアイディア????
おしらせ
前回日本に帰ったときデジカメを買ってきたのに、ほとんど使っていないことに気づいた・・・。
そこで、デジカメを使って撮った写真で日々の日記風ブログをはじめました
よろしければ、のぞいてみてください
コチラ→ いぎりす いろいろ。