英国ホスピスコラム


イギリスの病院でマクミラン緩和ケア専門看護師
(Macmillan Palliative Care Clinical Nurse Specialist)として働くナースのブログ

Palliative care(Japan)

ホスピス・緩和ケアへの関心の高まり

先週の日曜日の夜からこのブログへのアクセス数が増えている。
ほとんどがYahooやGoogleなどのWeb Searchからアクセスされている。

ホスピス、緩和ケア、デイホスピス、がん、末期、イギリス、広島県緩和支援センター、ホスピスで働く・・・などのキーワードでヒットしてここを訪れてくれている。

先週の日曜日の夜といえば・・・

前回の記事でお知らせしたNHKスペシャル シリーズ 日本のがん医療を問う II の「第二夜 がんの苦痛はとりのぞける」(総合テレビ 午後9:15~) が放送された日。

また多くの人がこの番組を見た感想や意見を個人のブログで記事にしているのも読んだ。

私自身、まだこの番組を見ていないので詳しくはかけないが、こうした緩和ケア・ホスピスへの関心が高まったというのは感じている。
改めてTVのちから、影響力はすごいと感じた。

私の家族も私のためにビデオをとりつつ、番組を見ていたらしいが、母も姉も「勉強になった」といっていた。
早速送ってくれたらしいので、ビデオが届くのを楽しみにしているところ。

イギリスの緩和ケアの様子が紹介されたが、イギリスの緩和ケアのシステムがそっくりそのまま日本で使えるとは思わない。やはり医療システムの違い(日本の医療、治療はイギリスに比べたらはるかに進んでいるし、すばやく行われる)、文化の違い、生や死に対する価値観の違いなどがある。でも、参考になる点もあると思う。

イギリスでも緩和ケアやホスピスは突然広まったわけではない。現在でもイギリス国民全員が緩和ケア・ホスピスについて正しく理解しているわけでもない。

英語で緩和ケアは「Palliative care」というが、ホスピスがどういうところかはなんとなく知っていても、
「Palliative careってなに?」とイギリス人に聞かれたことが何度かある。

またホスピスで働いているというと、
「すごいストレスな職場で働いているんだね。嫌にならない?」
みたいなことを言われたことも一度や二度ではない

でも、私にとって本当にストレスを感じ、落ち込んでしまうのはスタッフみんなで一丸となりアプローチしても苦痛が緩和されないケースに出会ったとき。


日本でもメディアに取り上げられ、人々の関心が高まり、厚生労働省ももっと力を入れて取り組んでいくことを望んでいる。

そして私も多くの人が緩和ケアに興味を示し、理解してくれるようにこのブログで自分の経験したことや考えを紹介していけたらいいなと思う。

TV番組のご案内:NHKスペシャル シリーズ 日本のがん医療を問う II

イギリスではなく日本のみなさまへのご案内です

NHKスペシャル シリーズ 日本のがん医療を問う II
・1月7日(土)
「第一夜 格差をなくすために」(総合テレビ 午後9:00~)
・1月8日(日)
「第二夜 がんの苦痛はとりのぞける」(総合テレビ 午後9:15~)

1月8日放送予定の「がんの苦痛はとりのぞける」ではイギリスの緩和ケア医療の様子も取り上げられるそうです。

興味のある方はぜひご覧になってみてください笑顔

残念ながらイギリスからは見ることができないので、家族に録画してもらう予定です

天国での再会を願って

リンクをさせていただいていたスタートラインの管理人の輝さんが先日天国に旅立った。

輝さんはブログでいつも「がんばります」といっていた。
でも、輝さんが必死に前向きになろう、そして癌であるという現実から目をそらさず向き合っていた姿勢はひしひしと伝わっていて痛々しいくらいだった。

応援したくて、コメントしようと思ってもなかなか言葉が浮かばなかった。

輝さんは亡くなる前にお姉さんにブログの存在を伝え、何かあったら更新して欲しいと言い残していたそう。そして、輝さん自身が生前に書いたメッセージが公開されていた。

みんなさんに会えた事、癌だと分かってから一番嬉しい出来事でした。辛い日も、温かいコメントを読んで笑顔が取り戻せました。私が生きたい!心からそう思えたのも、いつも笑顔で過ごせたのも、この場があって、みんなさんがいてくれたお陰です。ありがとうございました。みんなさんに出会えて良かったです。とっても幸せな時間が過ごせました。もっともっと語りたい事があったけど、続きは天国で再会した時に残しておきます。これからは私が、いつもみなさんを空の上から応援しています。今まで、ありがとうございました。また、お会いしましょうね!

このメッセージを読んだとき、思わす涙があふれた。

輝さんの自室からはPalliative careに関する本がたくさんあり、grief careのところに付箋もついていたそう。

死と向き合い、その苦しみの中でも他人への思いやりを忘れることなく。
前向きに一生懸命生きていた輝さん。

心からご冥福をお祈りします。

40~64歳の末期がん患者、すべて介護保険対象へ(日本)

11月12日の読売新聞(YOMIURI ONLINE)のニュースで、2006年4月から40~64歳の末期がん患者、すべて介護保険対象となるという記事が出ていた。

詳しくはこちらを
40~64歳の末期がん患者、すべて介護保険対象(2005年11月12日 読売新聞)

今年の2月に40~64歳の自宅療養中の末期がん患者を介護保険対象とする方向で検討に入ったと報道されたときは、乳がんや子宮がんなどは例外とされ、しかも病名を含めた余命が本人に告知されていること前提としていた。

しかし、今回の報道で評価したいのがこの2つ。

・40~64歳、すべての末期がん患者さんが対象となること
・余命云々ではなく、末期かどうかの判断は、医師が「治癒困難・治癒不可能」と診断した場合。

余命の判定は難しく、まして病名告知はされていても余命告知されていないケースはたくさんあるため、「治癒困難・治癒不可能」と診断された場合というのは妥当だと思う。

でも、私が腑に落ちないこと・・・。

39歳以下の治癒困難・治癒不可能な癌を抱えている人はどうなるのか?
インターネットで検索しても39歳以下で癌闘病中のブログやウエブサイトを持っている人はたくさんいる。そして自宅で、家族で過ごしたいと思っている人がたくさんいる。
そんな人々も介護保険給付対象にはいれてもらえないのだろうか・・・・。

給付対象に年齢制限を設けず、「治癒困難・治癒不可能ながん患者すべて対象」にはできないのだろうか・・・・。

介護保険に関しては私が日本を離れてから始まったもので、私自身も情報不足なので、ケアマネなどしてらっしゃる方々のウエブサイトやブログをのぞいてみた。
この件に関してみなさまから(イギリス在住・日本在住問わず)ご意見を聞かせてもらえると嬉しいです。



そして、将来的に治癒困難・治癒不可能ながん患者さんへの介護保険給付が開始されれば、在宅緩和ケアの提供のニーズが増してくるだろう。

イギリスには一応一人一人にかかりつけ医(GP)を持つことが定められており、在宅医療・ケアもGPや訪問看護師などを中心として行われている。
そして、地域において緩和ケアの質の向上と、均一なレベルの在宅緩和ケアが受けられるようにと、在宅緩和ケアのプログラムThe Gold Standards Frameworkというものがある。

しかし、GPや訪問看護師といえど緩和ケアの専門知識を完璧に持つことは難しい。そのためマクミランナースと呼ばれる緩和ケア専門看護師たちが力を貸し、在宅緩和ケアの実現に大きく貢献している。
(マクミランナースについては過去記事;こちらを参考までに)

国としての医療システムの違いはあるし、イギリスの医療制度がうまく回っていなかったとしても。マクミランナースの存在や在宅緩和ケアプログラムなどは、今後の日本にとって参考になるかなと思う。


追記
「40~64歳の末期がん患者、すべて介護保険対象」について記事を書かれていた方を見つけたのでトラックバックさせていただきました

裏 介護保険 「最後は畳の上で」
TOMORROW IS ANOTHER DAY 「がん患者を囲む環境の変化」

お勧めブログ

仕事や勉強が忙しくなると現実逃避でネットサーフィンをしてしまうのが私の悪い癖・・・落ち込み

でもその甲斐あってか?とても興味深いブログをみつけた。私の参加しているWeb Ringの“天使のわっか”で見つけたブログで“Forever with
看護師であるふみさんが大腸がんの彼との日々をつづっている

ふみさんの彼は最近緩和ケア病棟に移っており、日本の緩和ケア病棟での経験のない私にはとても興味があるのももちろんだけど、ふみさんの視点、看護師として、また彼の家族側としてがとても鮮明に書かれていているのが魅力。(とてもまめにブログの更新をしているのも尊敬。私とは大違い・・・。)

緩和ケアにかかわる人、そうでなくとも医療者にはぜひお勧めしたいブログだ・・・と思ったのでふみさんにお許しをもらったのでこの場で紹介させていただきました。
彼のために一生懸命がんばっているふみさんを応援する気持ちを込めて・・・ドキドキ大


追伸:ふみさんの彼は11月1日に永眠されました。ご冥福をお祈りするとともに、ふみさんの悲しみがすこしでも癒えることを祈っています。
プロフィール

hi_hospiceuk

Hi へのメール
記事検索
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ