ホスピス空きベッド待ち、1326人死亡…読売調査
(読売新聞 YOMIURI ONLINEより)

読売新聞が全国のホスピス・緩和ケア施設、153施設を対象にした調査を行った結果(2005年4月~06年3月)、ホスピスの空ベット待ちの間に1326人が死亡したとのこと。

またベットがあくのを待っている待機患者数は少なくとも全国で736人、待機患者数の最多施設では50人、一施設あたりの平均待機患者数は7.6人。

これだけ多くの患者さんがホスピス・緩和ケア病棟への入院を望みながら、その前に亡くなってしまったというのはとても残念。
(しかし、緩和ケアは一般病棟でも行われているところもあるし、ホスピスや緩和ケア病棟の中でなければ受けられないというわけではないので、空きベット待ちの間に適切なケアが受けられていたと願いたい・・・。)

この記事中の山崎章郎医師のコメントにもあったが、ケアの充実を図ること、地域で連携することは大切であると思う。


私の働いているホスピスはベット数20の独立型ホスピスだが、満床になるのは稀。
そしてホスピスへの入院依頼は患者のかかりつけ医であるGP,訪問看護師(District nurse)、癌専門看護師(Macmillan nurse)、病院の緩和ケアチームなどからあり、依頼のフォームを受け取り、毎週ミーティングが開かれ患者さんの状態により入院予約を入れていく。
依頼があった時点で患者さんの状態が悪いときには、即入院になる。
(参考までに過去記事ホスピスへのReferral

またここのホスピスから車で約1時間以内の場所にほかにも3箇所ホスピス・緩和ケア施設がある。そのため、これらとも連携をしており、入院が必要な患者さんがいるが、空きベットがないというときには、近辺のホスピスへ入院となる。


日本ではホスピスの数は年々増加しており、全国の緩和ケア病棟承認施設は2006年2月1日現在153施設2890病床(緩和ケア Vol.16 No.2 March 2006 より)
でも、病床数は都道府県によってかなりばらつきがある。

日本でのホスピス・緩和ケア施設の増加も必要だと思うが、今すぐにはベット数を増やすというのは不可能だろう。
それに、ベット数を増やすことにこだわり、ケアの質のがお粗末になってはならない。
専門知識を持ったスタッフの確保、スタッフの教育、ケアの質の向上も忘れてはならないと思う。
また近辺地域のホスピス・緩和ケア病棟で連携をとり、空きベット待ち患者さんの対応がスムーズにいくよう、施設同士の連携、医療者側からの情報提供も強めて言って欲しいと思う。