私はFull timeの夜勤スタッフとして働いて、7晩連続夜勤をして7日休みという勤務になっている。7晩も連続してやるとさすがにきついが、お休みはたっぷりある。

病棟は2つあり、Red teamとBlue teamに分かれている。ベット数はそれぞれ10ベット、合計20ベットある。満床にあることは稀だが平均患者数は6~8人ぐらいではないだろうか。
夜勤スタッフはTrained Nurse(Registered Nurse(RN)またはEnrolled Nurse(EN))とAuxiliary Nurse(AN)からなり、夜勤帯はTrained Nurse(Trained Nurseは最低各病棟1人ずつ)とANでホスピス全体で最低4人勤務している。多い時ではTrained NurseとAN合わせて6人勤務することもあるが、これは稀でたいていは4~5人で働いている。

私はまだD Gradeなのでホスピス全体の責任者にはならないが、たいていどちらかの病棟を任され、ANと一緒に働く。
夜勤スタッフとして働き始めて1週間のときに、いっしょに働くはずだったTrained Nurseが病欠し、いきなり病棟を任されたときはさすがに不安がいっぱいで日勤スタッフに申し送りが終わった時には思わず涙が出てしまった・・・。
まもなく、ここで働き始めて1年、少しづつ仕事にも慣れて来たところ。

勤務は21時に始まる。日勤スタッフからの申し送りをうける。そして患者さんたちが落ち着いていたら、まずはCup of tea。ほかのスタッフとともに患者さんの状態やどのようにケアしていくかを話し合う。(半分雑談もまじっているけど・・・)

22時からTrained Nurseが就寝前のドラックラウンド(投薬)をはじめる。この時間にはMST, Zomorph, OxyContinなどModified-releaseのOpioid Analgesicsを内服する患者さんが多い。
Opioid AnalgesicsはControlled Drugs(CD)として病棟にある金庫に保管されていて、Trained Nurse2人で患者氏名、薬品名、投与量、時間、残量を確認しなくてはいけないので、病棟にTrained Nurseが自分だけだと、むこうの病棟からTrained Nurseを呼ばなくてはいけない。またそう言うときはむこうもたいてい一人なので私もチェックにいかなくてはならない。

Syringe Driverと呼ばれる持続皮下注射用の機械がある。これは内服困難となった時や、薬液を持続的に皮下注射することよって症状をコントロールする時に使われる。ちょうど日本の文庫本を少し大きくしたくらいのサイズである。Syringe Driverを使っている患者さんは注射部位、バッテリー、作動状況もチェックしていく。

それと同時にANと患者さんに寝る前の飲み物を配ったり、トイレの介助、口腔ケア、更衣、体位変換、ナースコールの対応など、それぞれの患者さんにあわせてケアをしていく。

夜中までTVをみていたい、本を読んでいたい患者さんにはベットにいきたいときは呼んでもらうようにして好きなようにすごしてもらう。

とくに消灯時間はないので(大部屋の場合、起きていたい患者さんには枕もとのライトを使ってもらって部屋のライトは消す)、私たちが出勤してくる頃に既に眠ってしまっている患者さんもいる。そういった患者さんは麻薬などの重要な薬の内服の必要がない限りは起こさない。

状態の悪い患者さんに付き添っている家族がいる時は家族の人たちの飲み物や軽食を提供したり、家族が精神的に苦痛を緩和できるよう話をする。ベットサイドに付き添いたいという家族にはリクライニングチェアや簡易ベット、ブランケットや枕を準備。少し休みたいという家族には家族用のアコモデーションを案内する。

こうして患者さんと付き添っている家族が落ち着いた頃、再びCup of Tea. そして私たちは夜食を食べ、お喋りをしてほっと一息つく。

その後、私は看護記録を書く。話すことはできてもスペルが分からない単語か山ほどある私は、記録を書く時に電子辞書がいまだに手放せない。英語はまだまだ勉強が必要。

週に1度、ストック薬品の請求をする。またストックにない薬を飲んでいる患者さんの薬が十分にあるかなどドラックトロリーの中は毎日点検する。

めんどくさいのは週に1回のControlled Drugs(CD)の在庫調査。このチェックもTrained Nurse2人で行わなければならない。各病棟には金庫があり、その中にはたくさんのCDがはいっている。それを一つ一つ帳簿と照らし合わせて数が合っているかチェックしていく。患者が家から持ってきたCDもあるのでチェックする薬品はかなりの量になることもあり、長い時は1時間近くかかる。

朝までの間はナースコールの対応と患者さんに問題がないかみまわっていく。患者さんがみんな落ち着いていて寝ている時は暇だ。しかし、夜中といえど、起きている患者さんも時々いる。希望があればNight Sedationを投与することもできるが、いらないという患者さんとは座っておしゃべりしたり、飲み物を提供する。

1時から6時までの間で私たちスタッフは交代で仮眠をとる。患者さんたちが落ち着いていたらだいたい一人2時間半くらい仮眠が取れる。しかし、そうでない時は仮眠無しになることもある。それに患者さんに何らかの異常があった時にはANは薬品の投与ができないのでTrained Nurseは仮眠中でも起きて対応しなくてはならない。

朝も患者さんに起床時間はない。寝ている患者さんは起こさずにそっとしておく。患者さんが起きたところでCup of Teaを配り、朝の内服薬を渡す。この間もけっこうナースコールが多いのでその対応にも追われる。そして朝食を準備する。朝食はメニューも豊富でFull English Breakfastからシリアルまで好みでオーダーできる。もちろん患者さんだけでなく、家族にも提供している。

7時45分になると日勤スタッフがやってくるので申し送りを行い、看護記録を書き、夜勤スタッフの勤務は終わる。