Coordinate My Care(CMC)とは2009年に打ち出されたNational End of Life Care Programmeのプログラムのひとつです。

簡単に言うと、CMCはロンドンの終末期の患者さんの情報を共有するデーターベースです。
まだ完全にロンドン全域をカバーしていませんが、来年初旬にはロンドン全域がこのCMCを使い始める予定です。

家庭医(GP)、時間外サービス、訪問看護師、ロンドンの救急サービス(救急車)、在宅緩和ケアチーム、病院緩和ケアチーム、ホスピスのスタッフがアクセスすることができ、必要な情報を共有、また得ることができます。

入力される情報は、患者さんの氏名、患者さんのGP・訪問看護師・在宅緩和ケアチーム・ホスピスの連絡先、病名、予後、時間外の対応(病院へ転送すべきか、在宅で症状コントロールを図るべきか)、心肺蘇生をすべきか、現在使用している麻薬、家においてある緊急時の注射薬品、患者さんの死を迎えたい場所、などです。


たとえば・・・・
Aさんという肺癌末期の患者さんが家で亡くなりたいということで、在宅ターミナルケアの手配をして病院から退院したとします。
夜間、急激に状態が悪くなり、どうしていいかわからない家族は救急車を呼びました。

駆けつけた救急隊は、本部に患者さんがCMCに登録されているかどうかを問い合わせました。
患者さんはCMCに登録されており、在宅死を望んでいること、在宅緩和ケアチームが関わっていること、緊急時用の注射薬品(モルヒネ、ミダゾラムなど)も家にあることがわかりました。
そのため、緊急時用の薬品で症状をコントロールすることができ、救急隊は患者さんを病院に搬送することなく、家で最期を迎えることができました。

しかし、患者さんがCMCに要録されていなかった場合・・・
救急隊は詳しい状況がつかめず、とにかく状態の悪い患者さんを搬送すべきと判断、患者さんは病院に搬送され、患者さんの状態を把握していない救急外来のスタッフは蘇生を開始、最悪の場合患者さんは病院で亡くなってしまう・・・なんてことにもなってしまいます。


このCMCが正しく機能することにより、病院と在宅との連携も強まり、終末期の患者さんのケアの質の向上につながるのではと期待しています。


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Coordinate My Care


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