今から10年前の8月末。
私はイギリスにやってきた。

この10年、本当にいろいろなことがあった。
10年前の私は、まさかイギリスでClinical Nurse Specialistとして働くことはもちろん、イギリスで看護師になろうなんて考えてもいなかった。

日本で看護師をしていたけど、仕事仕事の毎日で何のために仕事をしているのかわからなくなり、辞めてしまった。
自分の好きなことをしよう。
夢だった海外で、イギリスで暮らしてみよう。
それだけの理由でイギリスにやってきた。

生活するのだから、語学留学よりもボランティアをした方が滞在費も安く済むし、介護のボランティアだったら今までの看護師の経験も生かせると思ったから。

当時のわたしの英語力は、中学校レベルであやうくボランティアの面接で落とされるところだった。優しい面接官のおかげで「ボランティア活動前に16週間の英語研修をする」という条件付でOKをもらった。

しかし、看護師の経験を重視され、クライアントの娘さんが英語の先生でもあるからと語学研修無しでボランティア先へ直接派遣された。

その派遣先で出会った訪問看護師さんやクライアント家族に「イギリスで看護師になればいいのに。Hiなら大丈夫」といわれて、その気になっちゃった私(苦笑)

運良く、ボランティアを斡旋してくれた会社がイギリスでの看護師免許取得プログラムを作ろうとしていたので、実習病院の確保やサポートもしてもらえた。

免許をとった後は興味のあったホスピスへの就職。

学費の援助を受けて、優しいスーパーバイザーにも恵まれ、大学で癌と緩和ケアの学位を取得。

イギリスの永住権もとり。自分のフラットも購入。

そして、緩和ケアの専門看護師である、Macmillan Palliative Care Clinical Nurse Specialistになれた。

この10年を振り返ると、私はたくさんの人にサポートされ、たくさんのチャンスにも恵まれ、運がよかったと思う。
私一人の力ではここまでキャリアをつむことはできなかっただろう。


自分があきらめない限り、きっと何とかなる。
だからがんばろう。
とにかくやっていこう。
そう自分に言い聞かせてきた。

そしてこれからも・・・・。


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