英国ホスピスコラム


イギリスの病院でマクミラン緩和ケア専門看護師
(Macmillan Palliative Care Clinical Nurse Specialist)として働くナースのブログ

2008年08月

福島県立大野病院産婦人科医逮捕事件 無罪確定

福島県立大野病院産婦人科医逮捕事件で、29日、福島地検が控訴断念を発表した。
これで加藤医師の無罪が確定した。

加藤先生にとってはつらい日々でしたでしょう。
それでも「これからも地域医療に私なりに精いっぱい取り組んでまいります」とコメントされた先生の医療に対する思いは素晴らしいと思います。

私は医師でも産婦人科の専門ではない。
だから、この帝王切開の手術についてくわしく分析することはできない。

私が許せないのは不可抗力なケースであったにもかかわらず、患者が死亡という結果をもとに、懸命に患者を救おうとした医師を刑事裁判で罪に問われたこと。

イギリスに来て、日本で働く多くの医療者がどれだけ勤勉か思い知らされた。

日本の医療者はわが身を削り、プライベートの時間を犠牲にし、休みも十分にとらず、無我夢中で働いていると思う。
こんな過酷な勤務状況なのに、志高く、一生懸命働いている医療者がいる。

この裁判によっていったいどれだけの医療者の医療に対するモチベーションが下がってしまったか・・・。
医療者のこころに暗い影を落としてしまったか・・・。


でも、前向きに捉えるならば、この裁判で浮き彫りになった問題を改善し、今後の日本の医療が良くなることを願っている。





前回の記事で控訴取りやめの署名をしてくださった方々。
ありがとうございました。




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福島県立大野病院産婦人科医逮捕事件 無罪判決

大切な方を亡くされたご遺族には心からお悔やみを申し上げます。

昨日8月20日、福島県立大野病院産婦人科医逮捕事件の福島地方裁判所で無罪判決がでた。

インターネットの速報で無罪判決を知ったときは、ほっとして涙がでた。
無罪判決は当然の結果であったと思う。

この裁判に関してはわたしの情報源は、各種新聞のネット版のニュースや医師が書いているブログを中心に、すべてインターネットからだった。

私は産婦人科は専門ではない。
でも、患者さんのために力を尽くされた医師が、患者さんが死亡したからと逮捕され、刑事裁判にかけられたという状況はゆるせなかった。

逮捕された加藤医師にとっては本当に苦しい日々だったと思う。
この裁判を受けて医療のさまざまな問題が浮き彫りになってきたのも明らか。
ここから学ぶべきものは沢山ある。
この裁判はムダではなかったはず・・・。

そして、必要なのはこの裁判の控訴ではなく、この裁判で浮き彫りになった問題を改善するために努力していくことだと思う。


周産期医療の崩壊をくい止める会のホームページで控訴取りやめの要望の署名を募集しています。

(以下 周産期医療の崩壊をくい止める会のホームページより抜粋させていただきました)
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控訴取りやめ要望署名募集(2008/8/20)
 検察庁が本件判決に控訴しないことを要請するために、本会は署名活動を再開します。署名は総理大臣、官房長官、法務大臣、検察庁長官、国家公安委員会、厚生労働省など関係各位に提出予定です。この1週間が勝負です。ご協力お願い申し上げます。

 別ホームページの署名投稿フォーム(別ウィンドウで開きます)で署名を募集中です。

署名投稿フォーム(別ウィンドウで開きます)

http://spreadsheets.google.com/viewform?key=pVSu1jKcdiL1dT7HDioKlfA

 ご賛同頂ける方でメールを送信される場合、医療関係者の方は、お名前、御所属、専門分野をmailto:perinate-admin@umin.ac.jp までご連絡下さい。医療関係者以外の方は、その旨ご記載の上、ご氏名のみをご連絡賜れれば幸いです。 

 署名受付は郵送でも受け付け予定、署名書式を準備中です。


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皆様のご協力をよろしくお願いします






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平和への思い

63年前の今日、8月6日、広島に原爆が投下された。
沢山の方の大切な命が奪われ、そして今も沢山の方が苦しんでいる。

長崎への原爆投下。そして終戦。
絶対にこのようなことがあってはならない。


インターネットの掲示板で広島の被爆電車攻撃予告がされたために、運行を取りやめたというニュースを見た。

投下時刻に電車破壊 ネット掲示板で予告(産経新聞)←Yahooのニュースより

目を疑うと同時にものすごい怒りを感じた。
秋葉原の事件以来、インターネットでの犯行予告に敏感になっているというのに。
広島での原爆投下を軽視し
平和への思いを強めるイベントを侮辱し
そのイベントを中止させる結果になった
ゆるせません・・・。

原爆投下、戦争が過去のものとして軽視されつつあるのだろうか。
そうだとしたらものすごく悲しい。
沢山の方の大切な命が奪われたということ。
沢山の方が身体と心に大きな傷をおい、今でも苦しんでいる方がいるということ。
絶対に忘れないで欲しい・・・。


平和への思いをこのブログを見てくれているみなさんにも伝えたくて、8月は平和への思いを記事にしている。


過去の記事も良かったら見てみてください

旧日本軍捕虜の患者さんとの出会い

平和について思うこと




実は来月2週間ほど、日本に帰る。
今回は同行者つき。彼にとっては初めての日本。
「どこに行きたい?」
と聞いたら
「東京にも行きたいし、広島も行きたい」
といわれた。

もともと世界の歴史や政治に興味を持っている人で、広島の今の様子、何が起こったのか資料館をみに行きたいという。
ちなみに、東京では小泉元首相が訪れて問題になった神社(靖国神社のこと)へいきたいとのこと。

彼はたまに私よりも今の日本の政治に詳しい。きちんと案内できるよう勉強していこう・・。





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