英国ホスピスコラム


イギリスの病院でマクミラン緩和ケア専門看護師
(Macmillan Palliative Care Clinical Nurse Specialist)として働くナースのブログ

2007年02月

お知らせ

これから新居への引越しをします
ブロードバンドに接続できるようになるまで、2・3週間かかるそうなので、その間のブログの更新はストップします
メールはチェックできますが、返事は遅れるかと思います。

See you soon!笑顔

死ぬ権利

(少し前に書いた記事なんですけど、公開するのを忘れてました・・・。ちょっと古い内容になってしまってますが)


イギリス在住の方はすでにニュースを見た方もいらっしゃるでしょう。

Legal battle over 'right to die'  BBC NEWSより

Head to head: Right-to-die case

イギリスのブリストルに住む、女性、ケリー・テイラーさん(30歳)は心臓、肺、脊髄に重い難病(アイゼンメンガー症候群、クリペルフェーユ症候群)を抱えており、余命は1年未満と診断された。

彼女は完治の見込みの無い疾患を抱え、絶え間なく続く痛み、息切れ、そして床ずれに悩まされている。
リヴィングウイルでこの先人工的に栄養を与えられたり、水分を与えられることを拒否すること意思表示している。
そしてモルヒネの増量を希望し、彼女の望む増量はおそらく意識不明になり、命を縮める可能性、安楽死に当たる可能性があるために医師は増量を拒否している。
そのために死ぬ権利を主張する彼女は議論を法廷へ持ち込んだのだ。


イギリスでは安楽死は死ぬのを手助けする行為として違法とされている
以前の記事にも書いたことがあるが、安楽死のための法案が議論されたこともあるが、否決されている。
Euthanasia? Suicide? for terminally ill patients:末期患者のための安楽死?自殺?


過去に何人もの安楽死を望んだイギリス人はスイスなどの安楽死が合法化されている国へ行き、実施した。
このケリーさんの場合、スイスへの移動は状態が悪いため困難で、彼女自身も自宅で死を迎えたいと望んでいるそうだ。


緩和ケア専門チームも彼女の治療にかかわっているというが、彼女の痛みはひどく、苦しんでいる。
ニュースではどれほどのモルヒネの増量を彼女が望んでいるのか、はっきりとして量は明らかにされていなかったが、彼女の痛みを緩和するには彼女の意識がなくなるほどの量を投与する以外に手は無いという。

あまりに悲しいケースだと思う。
彼女の症状はコントロールされておらず、このまま死を迎えるというのはあまりにむごすぎる。


3月末に聴聞会が予定されており、このケースの行方に注目したいと思う。





エクスチェンジまでの道のり

以前の記事:オファーが通ったのつづき・・・。

イギリスで家を買うにあたっては、オファーが通った後は売り側も買う側もソリシター(弁護士)を通して手続きを進めていく。

そのソリシターがかなりの曲者だ。

今までいろいろな人にソリシターの話を聞いてきたが、誰一人として「自分のソリシターは優秀だった」という人はいなかった
みんな自分たちのソリシターの文句ばかりいっていた

私もソリシターを選ぶにあたり、不動産屋が
「うちの系列のソリシターの会社ならオフィスはクリスマス以外年中無休だし、平日は夜遅くまでやっているから連絡も取りやすいからお勧めよ。それに契約が結べなかったら料金はかからないし」
といわれたので、そのお勧めソリシターとやらにお願いすることにした。
(実はこれは去年の10月中旬のことだった)

この年中無休で働くソリシターの会社。
たしかに年中無休だからといって、年中無休で契約を結ぶためにソリシターたちがせっせと働いているわけではない!
単に電話をかければいつでも誰かが電話を取ってメッセージを受けてくれるだけだった。

いつまでたってものろのろ、うだうだ。
こっちが問い合わせて、どうなっているのか聞いていかなければまったく進んでいかない。

「あとOOについて調べているだけだから、数日中には契約書をあなたに送るからサインしてもらったらおしまいよ」という言葉を11月末あたりから電話をかけるたびに聞かされ続けた。

どうしてもクリスマスをまたぐのだけは避けたかった。
だってイギリス人はクリスマスからお正月までは働かないから・・・。

12月にはいった時点でソリシターに電話する頻度を上げた。
1週間に2・3回はかけてどこまで進んでいるのか問いただした。

「売り手のソリシターからの返事が無いから進まないのよ」
と言い訳がましくいわれた。

「待ってる間にできることは無いの?私がやらなきゃいけないことってある?」と聞いても、特に今は無いというだけ。

予想通り、クリスマス前後の12月中旬から1月上旬まではまったく動きが見られなかった。

モーゲージアドバイザーからも電話があり、
(このモーゲージアドバイザーが唯一、ちゃんと仕事をしていたと思う。)
「僕からもソリシターに電話をかけてプッシュするよ。
 でも、君もソリシターを怒らせるくらい、強く言った方がいい。
 彼らは忙しいからおとなしい客は後回しにしてうるさい客から片付けようとするから。
 ソリシターをイライラさせるんだ!」
とありがたい(?)アドバイスまでいただいた。

職場の人からも
「Hiは優しすぎるのよ。もっとおこっておこって、怒鳴り散らさなきゃダメよ。」
といわれた

またちょっとこわい系の看護師さんからは
「私が電話で怒鳴ってやるわよ!電話番号おしえな!」
といわれた。


そうこうしているうちに、先に切れたのは売主のほうだった。
「後2週間以内に契約が結べないのであれば、白紙にする」
と不動産屋を通じて私に通達してきたのだ。

しかし、契約が長引いているのは私のせいではない。
ところが、売主のソリシターも私のソリシターも
「自分たちのやるべきことはすでに終わっていてHiがサインをしていないので、待たされている」
と不動産屋にいってのけたのだ。

私がサインすべき書類(コントラクト)を受け取ったのはこの話を不動産屋から聞いた当日の午後。
あきれてものが言えなかった

さすがの私も、頭にきたので不動産屋に電話で文句を言った。
私のソリシターからの手紙の日付を見てもらっても解るし、何で私が長引かせるようなことをする必要があるのか?!
お金だって送る準備万端なのに、ソリシターが一向に必要金額を知らせてこないし。

不動産屋はその後も何度も謝ってくれ、ソリシターに文句を言ってくれた。

ここからが急展開。

私がコントラクトにサインをして、頭金を含む諸費用を送金した翌日、コントラクトのエクスチェンジ(売買契約)が成立した。

オファーが通ってから契約成立までの道のり、なんと4ヶ月!!
購入したフラットは空き家だったし、チェーンも無かった。それなのにこの長い待ち時間は何だったのだろう・・・。


イギリス人の仕事のスピードはのろい。とてつもなくのろい。
そんなイギリス人のソリシターが売り手側、買い手側にいて手続きを進めていくのだから、仕事のスピードはさらにのろのろになる。
そして、人々に文句を言われ、罵られなければ仕事のスピードが上がらない。
はっきりいって情けないー・・・。



長くなりましたが・・・
本日晴れてフラットの鍵を受け取りました!キラキラ

あ、でも、やっぱり鍵の受け取りにもひと波乱ありました。
長くなったので続きは後ほど・・・。





オファーが通った!

前回記事:オファーがなかなか通らない・・・のつづき・・・。


見に行った物件が25件以上になり、3回出したオファーもすべてだめだった。
あきらめムードになってきた・・・。

やっぱりもうちょっと物件を探すエリアを拡大しようと、近辺の町の物件も見に行った。

そして立て続けに1ベットルームの家が何件かマーケットに出てきた。
せめて2ベットルームは欲しいなあと思っていたけど、家だと庭付だし、参考までに見に行ってみた。

「庭付き!」といってもさまざまで面白かった。
ある家はDetached Gardenと書いてあった。庭は家から数メートルはなれたところにあってコンクリートの地面。これを庭と呼ぶには無理がある、駐車場だろ・・・と思った。

またある家は家の中から庭に出ることができない。庭に行くのに玄関から出なくてはいけなかったり。


そんなある日の朝、1ベットルームの家の見学に行く予定があったので、出かける前にインターネットで新しい物件をチェックしていた。
新しく2ベットルームのフラットがマーケットに出ていた。そしてそのフラットを扱っている不動産屋は今から見に行く物件を扱っている不動産屋とおんなじだった。

その1ベットルームの家は全体に小さすぎて、庭も無くて、これはボツだ・・・と思った。

物件を見せてくれた不動産屋の担当者に今朝みた2ベットルームのフラットの話をしてみたら、空き家になっているし、鍵もあるので今から見せてくれるという。
早速、そのフラットへ。
場所もまずまず。
フラット自体もそれほど古くはなさそう。
ラウンジが結構大きくて、気に入った。
2つ目のベットルームはかなり小さめだけど・・・。
車庫もあるし、パーキングスペースもあるから2台車をとめるとだってできる。
ほぼ私の希望をクリアしている。

オファーをどう出すかちょっと考えた。
売主の希望価格より低めにいくか・・・。
でも、低く出したらきっと希望価格をオファーしてくる人を待つ可能性が高い。(なんせ、マーケットに昨日出たばかりだし。)
そうしてまた何人もの人が同時にオファーを出して競り合いになる可能性も高い・・・。
ここで私が売主の希望価格でオファーを出せばまだ誰も見学に来ていないから、私のオファーをうけてくれるだろう。

・・・などなど、悩んだ挙句、決心した。
売主の希望価格でオファーを出して一気にけりをつけよう!と。

不動産屋の人も私が売主の希望価格でオファーを出すのなら、とりあえずほかの見学者はストップすると言ってくれた。
そして売主の意向を聞いてくれることになった。



待つこと、2日。




ちょうどほかの不動産屋が扱う物件を見ている最中のことだった。
オファーを出したフラットを扱う不動産屋からの電話がかかってきた。

「おめでとうございます。売主があなたのオファーを受け入れました」

長い長い、物件探しの道のりから開放された嬉しさと自分の希望の物件が手に入る喜びでいっぱいだった。

早速今後の手続きについて話を聞くために不動産屋のオフィスに向かった。



今思えば、物件探しにかかった時間なんてたいしたこと無かった。
本当に大変で、イライラの連続、ストレスフルな時間はこれからだった・・・・。

(つづく)

オファーがなかなか通らない・・・。

久々のイギリスでの家の購入の記事です。

興味のある方は過去記事をどうぞ
・人生で一番大きなお買い物
・第一難関はモーゲージ

家を買うための資金、モーゲージ(住宅ローン)のめどがついたので再び、物件探しに明け暮れた
私の条件としては
・2ベットルームのフラット
・自分の車と来客用のパーキングスペースが確保されている
・職場まで車で通勤できる
・ロンドンまで直通の列車でアクセスできる駅がそばにある
・大学へのアクセスがいい

その条件に見合う街に照準を合わせて、不動産屋を回って自分の希望価格や条件を伝えて、いい物件が出たら教えてくれるように連絡先を残していった。

しかし、連絡先を残したからといって向こうから連絡をくれることなんてめったに無かった。

なので、毎日インターネットで物件を探す日々が続いた。

条件に合う物件を見つけたら不動産屋に電話し、物件を見せてもらう日時をアレンジ。
写真で見ると結構いい感じのところでも、行ってみると「ちょっとこれは・・・」というところも結構あったし、なかなかいいところが見つからなかった。

見に行った物件が10件を越える頃、やっと気に入ったところを発見!
グランドフロア(日本で言う1階)のフラットで大きな庭付。
ラウンジからの庭の眺めがとっても素敵。
売り手の希望価格よりやや低めにオファーを出した。

ところが、このフラットに私を含めて4人、オファーを出してきた。
不動産屋によると、みんなFirst time Buyer(初めての物件購入者)
買い替えの人に比べて、First time Buyerだと本人が売る物件が無いので売り手にとっては好まれる立場らしい。

そのフラットの売り手が全員に最終価格を聞いてきた。私は売り手の希望価格を提示したけど、誰かがさらにその上を提示したために、私のオファーは通らなかった。


気を取り直して、物件探しを再開しても、なかなかいい物件が見つからない。
そして、見つかって、見学のアレンジをしている間にほかの人が売り手の希望価格でオファーを出して売却決定してしまうところもあった。

見学した物件も25件以上にのぼり、その間出したオファー3回。3回とも結局売り手の希望価格を提示したけどだめだった。
どうも私が物件を探しているエリアはロンドンへのアクセスもいいし、この地域でもまだ比較的値段が安めなので、競争率が高いようだった。

オファーも私も含めて毎回何人も同時に出すので売り手の希望価格以上に提示する人が出てくる。

また3回目のオファーを出した物件はほかの人が現金で購入するといったので、モーゲージを組まなくてはいけない私はあっさり敗北。

本とか、ほかの人に話を聞いたときはオファーは売り手の希望価格よりも何千ポンドか下に出して交渉していくもの、と聞いたけど。私の希望するエリアの物件は希望価格よりも下に出そうものなら、オファーなんて通らないきがした。

私の探しているエリアの競争率が高すぎるか・・・。エリアを変えたほうがいいのかと考えてほかのエリアもちょこちょこ見に行ったりした。


何度も見学に行くので不動産屋とも顔なじみになってきて、優しい担当者さんはマーケットに出す直前の物件情報を教えてくれたりもしたけど。

オファーが通らなかったという連絡を受けるたび、このままフラット購入は夢に終わるかも、とあきらめかけた。
そのたびにモーゲージアドバイザーのお兄さんが励ましてくれたっけ・・・。


(つづく・・・)
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