英国ホスピスコラム


イギリスの病院でマクミラン緩和ケア専門看護師
(Macmillan Palliative Care Clinical Nurse Specialist)として働くナースのブログ

がん治療と仕事

最近、気になるニュースがあったので…

がん患者に院内オフィス、「治療で離職」歯止め (読売新聞)
院内にサテライトオフィスを設置しがん治療と仕事を両立させて、離職を防ぎ、スムーズな職場復帰が狙いらしい。

私はイギリスに来て、5箇所の職場(ホスピス、病院、訪問看護)を経験しているが、がんと診断され長期病欠(6ヶ月以上〜1年)しがん治療をして、職場に復帰したスタッフに何人かであった。誰もが、復帰した時に以前と同じポジションに戻っている(仕事時間を減らした人はいたが)。
また、復帰することなくなくなってしまった方もいたけれど…。

院内オフィスはがん治療を受けている患者さんたちに、治療中でも仕事をしなければならないプレッシャーになるのでは、無理をさせてしまうのではと思う。
がん治療は精神的にも身体的にも辛いものです。
治療しながら仕事をするサポートというよりも、長期病欠しても以前と同じポジションで働けるような補償を義務付けるなど、治療に専念できるような環境にしてほしいものです…。

いろいろな寄付のかたち ー8歳の女の子が髪の毛の寄付ー

イギリスではさまざまなチャリティ活動が盛んです。

がんやその他の病気で髪の毛を失ってしまった子供たちにかつらを提供するチャリティ団体で、リトル プリンセス トラストというチャリティ団体があります。そのリトル プリンセス トラストに自分の髪の毛を寄付した女の子のお話を紹介します。

フランキーは8歳の女の子で、4歳の頃から髪を伸ばしていました。
ある日、フランキーのお母さんが「もっと長く伸ばしたらかかつらが作れるね」と言いました。それを聞いたフランキーは誰かが使うかつらのために自分の髪を寄付したいと思うようになりました。そしてお母さんと一緒に髪の毛を寄付を受け付けているチャリティ団体を探し、リトル プリンセス トラストを見つけたのです。

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いよいよヘアカットの日。美容室には学校の友達もフランキーの応援に駆けつけました。
三つ編みされたフランキーの髪の毛はバッサリと切られ、その長さは25センチもあり子供のかつらのが3つ作れるほどでした。

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さらにフランキーは自分の行動を紹介し、協賛してくれる人々にリトル プリンセス トラストと失読症の研究のためのチャリティ団体に寄付も募りました。そして約1000ポンドものお金が集まりました。

フランキーのお母さんは、髪の毛を切る時にフランキーが泣いてしまうのではと心配だったそうです。でも、フランキーは笑顔で、新しいヘアスタイルも気に入ったようでした。
そして、フランキーはまた髪を伸ばして寄付したいと考えています。


フランキーのこの勇気ある行動は地元新聞にも紹介されました。
http://www.henleystandard.co.uk/news/news.php?id=126012


UK end of life care 'best in world'

the Economist Intelligence Unitの報告によると終末期ケアに関してイギリスは世界80カ国の中で1位だそうです。
2010年にも同様の調査がありましたが、その時も1位でした。

UK end-of-life care 'best in world'
http://www.bbc.co.uk/news/health-34415362

とはいえ、まだ改善の余地はあるとのことですし、現場で働く身としてはまだまだ…という気もなきにしもあらず。

ちなみに日本は14位に入ってます。

ご無沙汰してます

前回の更新より一年以上もたってしまいました。
ブログが消えてしまわないように、ひとり言ですが書いてみました。

仕事の面では、Macmillan Palliative Care Clinical Nurse Specialistとなり、すでに3年以上経ちました。
ある程度のことはできるようになり、後輩もできたものの、日々色々なケースに会い、それもまた勉強。

これから大学院へ進むべきか、また薬を処方できるようになれるようコースへいくか悩みました。
キャリアアップはしたいけど、仕事とプライベートを充実させることが私の人生の目標です。

今はキャリアアップを一息ついて、プライベートを充実させたいと思うようになりました。

高齢でもあるので、いわゆる"妊活"そして妊娠中も平坦な道ではありませんでしたが…。
待望の赤ちゃんを授かることができました。来年初旬に誕生予定です。

産休を1年間とり、その後パートタイムで仕事に復帰予定です。
仕事とプライベートを両方楽しめるようやっていきたいと思います。









Coordinate My Care (コーディネイト・マイ・ケア)

Coordinate My Care(CMC)とは2009年に打ち出されたNational End of Life Care Programmeのプログラムのひとつです。

簡単に言うと、CMCはロンドンの終末期の患者さんの情報を共有するデーターベースです。
まだ完全にロンドン全域をカバーしていませんが、来年初旬にはロンドン全域がこのCMCを使い始める予定です。

家庭医(GP)、時間外サービス、訪問看護師、ロンドンの救急サービス(救急車)、在宅緩和ケアチーム、病院緩和ケアチーム、ホスピスのスタッフがアクセスすることができ、必要な情報を共有、また得ることができます。

入力される情報は、患者さんの氏名、患者さんのGP・訪問看護師・在宅緩和ケアチーム・ホスピスの連絡先、病名、予後、時間外の対応(病院へ転送すべきか、在宅で症状コントロールを図るべきか)、心肺蘇生をすべきか、現在使用している麻薬、家においてある緊急時の注射薬品、患者さんの死を迎えたい場所、などです。


たとえば・・・・
Aさんという肺癌末期の患者さんが家で亡くなりたいということで、在宅ターミナルケアの手配をして病院から退院したとします。
夜間、急激に状態が悪くなり、どうしていいかわからない家族は救急車を呼びました。

駆けつけた救急隊は、本部に患者さんがCMCに登録されているかどうかを問い合わせました。
患者さんはCMCに登録されており、在宅死を望んでいること、在宅緩和ケアチームが関わっていること、緊急時用の注射薬品(モルヒネ、ミダゾラムなど)も家にあることがわかりました。
そのため、緊急時用の薬品で症状をコントロールすることができ、救急隊は患者さんを病院に搬送することなく、家で最期を迎えることができました。

しかし、患者さんがCMCに要録されていなかった場合・・・
救急隊は詳しい状況がつかめず、とにかく状態の悪い患者さんを搬送すべきと判断、患者さんは病院に搬送され、患者さんの状態を把握していない救急外来のスタッフは蘇生を開始、最悪の場合患者さんは病院で亡くなってしまう・・・なんてことにもなってしまいます。


このCMCが正しく機能することにより、病院と在宅との連携も強まり、終末期の患者さんのケアの質の向上につながるのではと期待しています。


詳しくはこちらをご覧ください

Coordinate My Care


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